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THE VICINITY OF IZUMO

2023年12月13日水曜日

郷土出身、この一枚

前回の日記の写真にあるレコードはずいぶん前に広島で入手した物ですが、雲南市木次町出身のジャズピアニスト、世良譲さんのアルバム「SMOKE・RINGS」です。自宅では木箱に入れたジャズのレコードを「よく聴く」「たまに聴く」「あまり聴かない」の3つに分けていますが、BGM的にサラッと聴けるこのレコードをワタシ「たまに聴く」のグループに入れてます。そしてこの度持ち込んだDP-3000を使って久々に聴いてみましたが、BGM的でありながら周りと雑談していてもスッと耳に入ってくるような芯の通った演奏で、そこは流石の世良さんとそのメンバーって改めて思いました。

ところでこの人何かの縁で、ワタシが通っていた当時の大社高校に来られたことがあるんですよ。その日は全校生徒が体育館に集まりステージには備品のポンコツグランドピアノ、そこへ颯爽と現れた世良さんは生まれて初めてジャズに触れることになってポカンとしている大多数の生徒達を尻目に、快活なおしゃべりと軽妙なタッチのピアノ演奏で小一時間楽しませてくれました。

最後生徒達に向かって「何かリクエストある?」って聞かれた途端に全体が静まり、ワタシ家にレコードがあって好きだった「Autumn Leaves(枯葉)」が浮かびましたがそんな中で言えるワケも無く、そのうちどんな状況であっても何でも言ってのける同級生で女子のチハルさんが「慕情を弾いてください!!」ってリクエストしました。

ワタシ慕情は好きだけど「それって映画音楽やん」って思いました。まあどんな曲でもジャズにアレンジできるんですが、世良さんも何か違う曲でお茶を濁されたように記憶しています。その後大きな拍手を浴びながら降壇されましたが、その日の夕方ワタシも習ったことのある中学校の先生と肩を組み、大社町の神門通りをヘベレケ状態でフラフラ歩いている世良さんを目撃しました。

ジャケットはこちら。