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THE VICINITY OF IZUMO

2021年8月15日日曜日

備後落合駅

大社町は雨も上がりちょっとだけ太陽も覗きました。大雨の影響で運休していた山陰本線も運転再開となりましたが、木次線では未だ区間運休が続いています。まあ木次線の場合「おろちループ」の先にある道の駅から見ると、スイッチバックを使って信じられないぐらいの断崖絶壁を列車が登って行くので、安全面から考えても今回の運休は仕方ないことでしょう。その木次線の終点の駅が、今回紹介する備後落合駅です。

最盛期には200人以上の国鉄職員が存在した備後落合駅。広島市と新見市を結ぶ芸備線と宍道から始まる木次線が交わり「急行ちどり」も停まる拠点駅でしたが、今では優等列車が通ることも無い(そもそも現在JRに急行列車はありません)秘境駅とも呼べる山あいの無人駅です。そこで今年6月の初旬、過去の栄華を垣間見るためこの駅に行ってきました。

到着後さっそく駅構内を見て回りましたがホント誰一人いない状態、これで出発信号機が灯っていなかったら廃線と思われても仕方ないほどさびれています。そして小さな待合室には昔の写真や資料が掲示され、過去の活況を偲ぶことができます。ワタシ以外誰もいないのでマズイとは知りながら線路に降りてみましたが、山間部の駅としては異様に広い構内に蒸気機関車時代の貯炭庫や転車台が残されていて、これらは紛れもない「鉄道遺構」です。そしてそれらの写真を撮っているうちに駅舎の方から女性の声で放送が・・・最初監視カメラとかあって遠隔で注意されたのかと思いましたが、これは間もなく到着する列車を知らせる自動音声でした。

やがて広島方面からと宍道方面からの列車(列車といっても1両だけど)が到着しましたが、乗客といえば広島方面から来た2人の青年だけ。それぞれがカメラを持ち構内を撮影していたので、どうも別々に来た鉄道マニアみたいです。あとは旅行客はおろか地元の乗客さえいないのでホント寂しい限り。3年前に廃止された三江線のように時代の流れと共にいずれこの路線も廃止の道をたどっていくのでしょう。今回はクルマで来たけれど、またカミさんを誘って列車で来たいと思います。

ついでに
マニアの青年は2人共軽装だったので旅の道中での「駅寝」とかは考えていないみたい。ここ数年駅の待合室などで宿泊する駅寝が流行っていますが、一応禁止とはなっているものの特にお咎めは無いようで、代わりに周りに迷惑をかけないための暗黙のルールが存在するようです。実はワタシも20代前半、同期の友人と成り行きで駅寝したことがあります。場所は東萩駅ですがこのことについてはまた別に書きますね。



 こちら新見方面。


 こちら宍道・広島方面。

 古びた転車台。

 苔むした貯炭庫。

 だだっ広い駅構内。

 到着したキハ120、右側の車両は以前三江線で使われていたもの。