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THE VICINITY OF IZUMO

2021年9月22日水曜日

ウチの軽4と戦う

昨夜は中秋の名月。昨年のお月見は和室に日本酒をこぼしたりと散々でしたが、今年は一人庭でピーナッツを食べながらだったので特に問題は無かったです。ところで今回の戦うシリーズは家電では無くてクルマ、カミさんの通勤車兼ウチのドライブ旅行専用車のムーヴカスタムです。このあいだの休日、キララ多岐に向かう海沿いの直線で3台連なって走っていたロードバイクを追い抜き中にガクッと失速、その後もアクセルを強めに踏み込むとやっぱりガクッとなります。

実は過去にも高速道路の上り坂で同じ症状が出たことがありますが、その時はまだ保証期間内だったので無償修理してもらいました。修理方法はというと大胆にもターボユニットのアッセンブリー交換で、えっ!?てなりつつも後々のために具体的な故障原因を教えてもらっていました。

で、さっそく修理ですが原因さえわかっていればこっちのもの。バンパーを取り外し(実はこの方が大変だった)、アルミでできたターボユニットの遮熱版をグイッとめくってウエィストゲートバルブのロッドが見えるようにしました。そして潤滑スプレーをたっぷり吹きかけた後固着したロッドをプライヤーで挟んで左右にキコキコし、スムーズに動くようになったのを確認。その後カミさんに手伝ってもらってバンパーを仮止めしてから(バンパーをちゃんと留めないと飛んでいくとウルサイけれどここはシカト)試運転にでかけました。当然結果は良好で、帰宅後バンパーをちゃんと固定して修理完了です。直した後でネットを見るとダイハツのターボ車には結構多いトラブルのようで、ターボユニット交換を含めた修理代は14万円とのこと、ワタシはカミさんに褒めてもらって終わりです。

ハナシは以上ですが、今回の原因について詳しく書いておきます。興味のある方はお読みください。

排気ガスの圧力で羽根車を回し、同じシャフト上にあるもう片方の羽根車で空気を圧縮してエンジンに送り込むことにより、例えば排気量660ccの軽自動車でも1000ccクラスのクルマと同等の出力が得られる、というのがターボエンジンです(当然ガソリンも食います)。ただターボによって燃焼室の圧力が上がりすぎるとノッキングというやっかいな現象が発生し、最悪エンジンブロー(エンジンが壊れてしまうこと)を招きます。

そこで活躍するのが今回直したウエィストゲートバルブ、これのアクチェーター(作動装置)にかかるターボからの圧力が規定値以上になるとロッドが移動し、ターボユニット内部に取り付けられたウエィストゲートバルブが開きます。すると排気ガスはバルブが開いた分だけターボを通らずそのまま排気管に流れていくので、必要以上にターボの圧力が上がらずノッキングを回避できるうえターボユニットの羽根車も傷まない、要は安全装置です。今回の故障はアクチェーターのロッドが固着していたためウエィストゲートバルブが開かず、圧力の異常な上昇をセンサーが感知したので制御ユニットが燃料の噴射を止めていました。ウエィストゲートバルブの作動圧力以下の運転であれば普通に走ることができるんですが、たまには思いっきり加速してこのバルブを作動させてやればロッドの固着も防げそう、でも日々の生活ではなかなか無理ですね。それと、この程度の故障でターボユニットのアッセンブリー交換というのはどうなんでしょう?

おまけ
ウエィストゲートバルブのウエィストとは要らない物って意味、自動車整備で使うボロ布のことを「ウエス」って言いますが、これはこのウエィストから来ています。


1970年代にはクロームメッキの鉄製バンパーをわざとに外し、アグレッシブ?な雰囲気にする若者もいたんですが、今のクルマは化け物みたいになってダメですね。


真ん中の缶みたいなのがアクチェーター、ウエィストゲートバルブは外からは見えません。